ぽよメモ

レガシーシステム考古学専攻

イケてる高級キーボードmountain ergoを買った

My new keyboard...

KBDfansのmountain ergoを買いました。

[Restock] KBDfans mountain ergo keyboard kitkbdfans.com

f:id:pudding_info:20220306105849j:plain

f:id:pudding_info:20220306113821j:plain
背面のロゴ

f:id:pudding_info:20220306113842j:plain
リストレストのロゴは彫り込み

キースイッチ

DUROCK POM T1 Sunflowerを採用しました。

talpkeyboard.net

基本的にリモートワークをしているのでマイクが音をできるだけ拾わないよう静音軸、かつリニアは苦手なのでタクタイルで探していました。以前Choco60を組む時に採用したZilent V2*1でも良かったのですが、ガタつきを感じる点を以前から残念に思っており、せっかくなので新しいものに手を出すことにしました。

最初はDUROCK T1 Shrimp*2を使うつもりだったのですが、ついでに試したT1 Sunflowerの滑らかさにハマったのでこれにしました*3

f:id:pudding_info:20220306113454j:plain
ビルド過程を撮るの忘れてた

このキースイッチは軸の擦れるような感覚がほぼ無く、非常に滑らかに押し込める感触が素晴らしいです。更にガタつきもほぼなく、精度の良さを感じました。押下直後に比較的大きなパンプを感じる点は人を選ぶかも知れませんが、タクタイルスイッチとしての出来は非常に良いと感じました。ファクトリールブ済みで初心者でもオススメしやすいのも良いところですね。願わくばこの静音版が出ますように。

基本的にはファクトリールブの状態で満足だったのですが、スプリングに軽くKrytox GPL 105を塗布するとスプリングの甲高い音の響きが緩和されるような気がしたので、わざわざ一度全部バラしました*4

f:id:pudding_info:20220306112537j:plain
バラすのは10分、戻すのに2時間

総じて非常に満足感の高いスイッチでしたのでオススメです。

キーキャップ

KAT BOW PBTにしました。

KAT BOW PBT Keycaps setkbdfans.com

f:id:pudding_info:20220306113721j:plain
比較的柔らかい印象のキーキャップ

mountain ergoと一緒に発送してもらうと安上がりだったのでKBDfansで買いましたが、国内では今のところ遊舎工房で手に入るようです。

KAT BOW PBT Keycaps setshop.yushakobo.jp

KATはKAT Alphaの印字にじみ問題*5があり少し警戒していましたが、今のところ品質は良さそうで問題は感じていません。
強いて言うなら、思ったより暖色系の白でmountain ergoの硬い白色とはちょっとイメージが違った*6のが残念ではありました。

他のかわいらしいキーキャップと悩みはしましたが、必要なコンベックスキー*7の長さ(2uと2.75u)の合うセットがこれくらいしかなく、実際のところ選択肢がほぼないという状況でした。GMK Nimbus*8の色が好みなので、届いたらそれに変えようかなと思っています。

ファームウェア

公式で案内されている通り、ydkb.io を使うことになります。 ydkb.io

正直言うとVIAとかにして欲しかったという気持ちはありますが、仕方ありません。書き込み方は簡単で

  1. ydkb.ioでキーマップを作る
  2. ydkb.ioから作ったファームウェアをダウンロード(MOUNTAIN.BINみたいなファイルをダウンロードできる)
  3. mountain ergoのesc(一番左上のキー)を押しながらUSBケーブルを接続
  4. 書き込み可能な外付けディスクとして見えるようになるので、MOUNTAIN.BINをコピペ
  5. 既にあるMOUNTAIN.BINを上書き
  6. USBケーブルを挿し直し

これで適用が完了します。公式の手順ではMacの場合は上書きせず消してから書き込めと書いてあったんですが、これをすると空き容量不足で書き込めなかったため単に上書きしました。それでもうまく動いているのでたぶん大丈夫っぽいです。

一つだけ罠ポイントを紹介しておきます。Windowsで自作キーボードをUS配列として使っている人はご存じかと思いますが、変換・無変換キーはうまく認識されません。ydkb.ioを使っていても例外ではなく、キーマップで変換・無変換キーを割り当ててもWindowsからは別のキーとして認識されます。自分は代わりにF13、F14を割り当て、PowerToysのKeyboard managerを使ってそれぞれ無変換/変換にリマップしています。

f:id:pudding_info:20220306120841p:plain
PowerToysマジ便利

かかった金額

項目名 値段
mountain ergo本体
(Top/bottom E-white, aluminium plate, Hot swap PCB)
$462
KAT BOW PBT $79
Route package protection*9 $11.33
小計 66297

キースイッチが

項目名 値段
お試し購入 2050円
DUROCK T1 Sunflower 7710円
小計 9760円

総額76057円でした。

届く過程で一度日本に入ってきてそのままハノイに出て行ってしまい、また日本に入ってくるみたいな謎ルートを通っているのを見てゲラゲラ笑えた点などを加味しても高いですね。まぁ仕方ない。
キーキャップとキースイッチ以外はほんとにほぼ全部入っているので、こんなもんかなという印象です。

なんで買ったの?

Choco60には非常に満足していました。慣れ親しんだ物理配列、カスタマイズできる機能、あとGopherくんキーキャップ*10がかわいい。

f:id:pudding_info:20220306114439j:plain
おだんごGopherくん

一番大きな理由としてはメンタル的なところでした。ここしばらく特に良いことがなく、むしろ世界情勢はどんどん悪い方向にいっており、気分が滅入ってきていたことでパフォーマンスが下がり気味になっていました。ちょうど賞与も入ったので、自分の精神的な鼓舞のために前から気になっていたAlice配列のお高いキーボードを買ってみました。
どの程度効果があるかは分かりませんが、少なくとも使っていて楽しいですし、作っている最中も(いろいろあったけど)わくわくしたので体験としては非常に良かったです。

あとは前述したとおり前からAlice配列のキーボードは気になっており、昨年はMeridian R2を買うかどうか二週間くらい悩んで結局やめていたというのもありました。

ai03.com

基本的には分割キーボード以外を使うつもりはなかったのですが、どうしても筐体が軽く打鍵感がおもちゃっぽくなりがちである点などから、ちょっと気分転換してみてもよいかなと思っています。今年は後半にKinesis Advantage 360のカスタム可能モデルが発売される(かも)という話もあり、それまでしばらくはmountain ergoとChoco60を併用してみるつもりです。

まとめ

f:id:pudding_info:20220306123132j:plain
作業領域をもう少し俯瞰で見た様子

mountain ergoのいいところ

  • 非常に重くしっかりしたつくりの美しい筐体(鈍器)
  • 心地よい打鍵感
  • 全部入りなので後はキーキャップとキースイッチを揃えれば組めるという初心者設計
  • USB-C対応・キーマップはブラウザがあれば編集可能

mountain ergoの微妙なところ

  • ydkb.ioに依存している
  • 値段が高い
  • 合うキーキャップセットが限られている
  • リストレストはもう少し明るい色の選択肢が欲しかった
  • 初心者向けではあるけど、ビルドガイドは付属していないのでやっぱり難易度は高め

メンタルを救う代わりに財布は犠牲になったのだ……これは致し方のない犠牲。
皆さんにも気分転換にお高いキーボードに変えてみるというソリューション、おすすめしておきます。


*1:poyo.hatenablog.jp

*2:talpkeyboard.net

*3:@社の人 今度から会議中にカタカタ聞こえたらたぶん僕です

*4:気のせいかも知れません

*5:talpkeyboard.net

*6:写真では思ったよりわからないですね

*7:スペースバーのような、上に凸の形状になっているキー

*8:geekhack.org

*9:輸送途中の貨物の紛失や破損に対する保証。気がついたら付いてました(よく読んでなかった……)。

*10:kochikeyboard.stores.jp