ぽよメモ

レガシーシステム考古学専攻

Mozilla Foundationへの寄付を始めた

TL; DR

  • WebやOSSの発展に対して継続的な支援がしたくなった
  • 自分が一番世話になっているのはブラウザなのではないかと気付いた
  • FireFoxには生き残って欲しいのでMozilla Foundationへ毎月一定額を寄付することにした

はじめに

これは後から謎の請求を見て自分が混乱しないように残しているポエムです。寄付というものは性質上強制されるものでも奨励される物でも無いと思っているので、そういう書き方はしないように心がけています。Mozillaの回し者ではないです。
意図せずそういう表現になっていたらこっそり教えて下さい。

OSSと持続可能性

社会人になり、ソフトウェアエンジニアとしてのキャリアをスタートさせて2年と少し経ちました。世の中は大きく変わりましたが、自分の仕事は相も変わらずよくわからないソフトウェアを書いて、メンテナンスして、バグを出したり直したりしています。

さて、自分は学生の頃からOSSが好きで、自分で公開したりissueを投稿したりコントリビューションしたりしてきました。例えば、修士のときにコントリビューションしたtextlintのLaTeXプラグインを今でも時々メンテナンスしていたりします*1

github.com

この程度の規模だとたまに来るIssueに対応したり時折依存関係の更新をしたりする程度で済んでいるため、それほど大きな負担があるわけではありません。積極的に機能開発をしているわけでも、大量のユーザがいるわけでもない、極々一般的なオープンソースソフトウェアです。

一方で、世の中には多数のユーザを抱え非常にクリティカルな箇所で使われるにもかかわらず、無償ないし寄付に頼ってメンテナンスが行われているソフトウェアというものが多数あります。 2021年の冬にはLog4j2の脆弱性が話題となり、無償でメンテナンスをしているメンテナーと、そのソフトウェアに強く依存する大量の営利企業の構図が比較的大きく取り扱われ、様々な議論を呼んでいました。

最近ではGitHub Sponsorsなどもありソフトウェアのメンテナを金銭的に支援する方法は増えてきたように思います*2。これによって本当にOSSというものが持続可能性を手に入れることが出来るのかは分かりませんが、少なくとも個人レベルで何らかの支援が出来る/受けられるようになってきたことはありがたい限りだなと思っています。

何を支援したらいいのか問題

現代では様々なところでOSSが利用されており、日々たくさんのソフトウェアの世話になっています。さて、自分が何かOSSを応援したい場合、どうすべきなのでしょうか?

  • コントリビューションする→これももちろんできるならやりたい
  • 全部にたくさん寄付→破産
  • 全部にちょっとずつ寄付→手数料にも満たなさそう
  • 特定のものに絞る→これが難しい

自分が世話になっている自覚のあるOSSが多岐にわたりすぎて、全部に寄付すると破産するし一つに選ぶのも難しいしかといってメンテ出来るほど詳しくもない……ということで、近年は大変そうだな〜と思ったところにまとめて寄付するようにしていました。例えば昨年はLog4j2のメンテナに少額ですが寄付させて頂きました。

自分が一番世話になっているのはブラウザではないか

今年に入ってからもう少し継続的な支援がしたいという気持ちが強くなってきたため、やっと寄付対象をまともに考え始めました。

  • The Linux Foundation
    • Linuxでメシ食わせてもらっていると言っても過言ではない
  • Free Software Foundation
    • GNUにはいつも世話になっているため
  • Let's Encrypt
    • OSSとはちょっと違うけどHTTPSの敷居を下げてくれた偉大な存在
  • Debian Project・Canonical
    • Ubuntuには仕事でもプライベートでも世話になっているため
  • Mozilla Foundation
    • 就職してからプライベートではFireFoxをメインブラウザにしているため

会社でWebブラウザセキュリティという本の輪読会に参加し、Webブラウザの担う役割の大きさに気付かされたのもあり、ここしばらく自分が最も直接的に恩恵を受けているのはブラウザなのではという思いが強くなってきました。macOSでもWindowsでもLinuxでもFireFoxを使っていますし、自分の重要な情報はプライベートでも仕事でもありとあらゆるものがブラウザを経由しているように思えます。

Webブラウザセキュリティ ― Webアプリケーションの安全性を支える仕組みを整理するwww.lambdanote.com

現代のWebブラウザが当然考慮しているであろう様々な複雑な事情・ユーザの利便性・プライバシー保護を考えると頭が上がりません。また特定のベンダーによって独占される市場は大抵ろくなことになりません。Internet Explorerが退場し、EdgeがChromiumの仲間になった今、一人のユーザとして支持するべきはMozillaなのではないかという思いが強くなってきました。

寄付の仕方

以下のリンクから可能です。PayPal、もしくはクレジットカードが選択できます。

donate.mozilla.org

Mozilla Foundationの寄付画面

自分はとりあえず560円/月から始めることにしました。いつも最新のWebブラウザを使えるというサービスのサブスクリプションを契約しているような感じで良いかなと。
収入が増えたらもう少し額を増やすか、寄付対象を増やそうと思っています。

おわりに

めちゃくちゃ少額ですが、少しでも何かの助けになると嬉しいです。

*1:ほんとはフルスクラッチでv2を作って今ある課題をどうにかしたいという野望はあるのですが、なかなか難しいですね

*2:自分が最初にそういったシステムを知ったのは確かOpen Collectiveでした。こういう方法で支援をする仕組みがあるのだなぁと驚いたのを覚えています。