US-16-XGを静音化する
背景
MS-01というSFP+を2ポート搭載した高性能小型マシンがMinisforumから発売されたので、10Gbの スイッチと共に導入していよいよ我が家も10GbE Readyになっていきたいなと思っていた。
どのスイッチを買うか悩んでいたとき、たまたまUbiquiti Networks US-16-XGを中古で手に入れることができた。10G SFP+ x12ポート + 10GBase-T x2ポートの合計16ポートあり、1Uサイズでラックマウント対応のネットワークスイッチだ。我が家には一つもUbiquiti Networksの製品はないが、次に機器入れ替えするときには筆頭候補であったため、試してみるかということで。
ちゃんと10Gbで通信できることは分かった物の、この機器に搭載されるファンがややうるさい。同じ部屋で寝るならやや気になるかなくらいの音なので、一般的な1Uのラックマウントサーバなどの爆音とは比べるべくもないが、ややうるさいのは確かであった。ファンの回転数を下げるオプションなども見つからなかったのだが、海外の方のブログでNoctuaのファンに換装して静かにするという記事を見つけたのでやってみることにした。
注意: この記事は製品の改造を推奨するものではなく、同じように実施した結果の破損・故障への責任は負いかねます。保証が効かなくなるので自己責任でお試し下さい。
準備
このUS-16-XGというスイッチには背面に2つの30mm角のファンが搭載されている。より静かな30mm角のファンに換装することも一つの手だが、このサイズで静音性を志向したファンはあまり無さそうだ。Noctuaが30mmファンを売ってくれていれば楽だったが、最小で40mmのものしかない。そこで、30mmから40mmへのファンアダプタを噛ませて取り付けられるようにする*1。
ただしそんなニッチなアダプタは市販されていない。幸運なことに、先人が3Dモデルでアダプタを作成し、3Dプリンタでプリントできるようにしてくれている。
ukdave氏がCC-BY 4.0で公開して下さっているので、これをありがたく使わせて頂く。Thanks!
DMM.make 3Dプリントサービスでアダプタを作る
私は3Dプリンタは持っていない。このために3Dプリンタを買うのはやややりすぎであろう。幸い日本ではモデルをアップロードすれば、3Dプリントしてくれるサービスがある。
先ほどのサイトには2種類のstlファイルがアップロードされている。これらは内部のパーツ配置を考慮しやや異なる形のアダプタになっているので、どちらかを2つではなく、両方1つずつ必要である。これらをDMM.makeにアップロードする。

しばらくすると見積もりが届く。どのタイプのレジンを使うかはやや悩んだが、今回は タフレジン | SLA を採用した。1パーツあたり約1500円ほど、2つ合わせて3000円強であった。プリントを依頼し一週間程度で届いた。


非常に滑らかできれいにプリントされていた。すごい。ただ一箇所薄くなって穴が空いてしまった部分があった。使ったレジンの問題なのかデータの問題なのかまでは確かめていないが、強度的にはそこまで問題は無さそうであった。

ファンを手に入れる
参考にした記事で使われていたものと同じファンを購入した。
日本語のECサイトだとなぜか500RPMと書かれているところがいくつもあるが、実際には5000RPMである。付属している2種類のLow Noise Adapterを使うことで回転数を落とすことができる。今回はUltra Low Noise Adapterという最も回転数を落とせるアダプタを利用する。
換装
US-16-XGを分解する
見えているネジを全て外す。やや固く締められている箇所をなめかけたので、ドライバーはしっかりした良いものをつかい、慎重に開けた方が良いだろう。見える範囲のネジを全て外してもまだ開かないが、これはロゴのシールで隠された部分にネジがあるためである。おそらく新品で購入したものであれば、これを剥がした時点で保証は無くなると思われる。

全てのネジを外し、本体の底面と上面をスライドさせるように動かすと外れる。

本体上面側におそらく熱伝導シートと思われるものが貼ってあった。やや無理に開けてしまったからか、黒いヒートシンクに一部それが付着してしまった。まぁ影響はそこまでないだろう。
Noctua NF-A4x20 FLXに換装する
まず30mmのファンを全て外す。結構汚れていたので手が真っ黒になってしまった。ケーブルを固定しているシールがやや固いので、壊さないよう慎重に剥がす。


先にアダプタを置いてみる。左右でパーツが異なるが、合わない方は隣のパーツに干渉して設置できないので間違えることは無いと思う。
後はファンを取り付けていく。ゴム製のピンが用意されているのでこれを使うと良い。取り付け途中の写真を撮り損ねていたが、アダプタとファンを重ね合わせてアダプタ側から長いゴムのピンを挿入してしっかり引っ張ると固定される。その状態では先端部分が余って基板に干渉するので、適当にニッパで切断する。

アダプタとケーブルをうまく納めれば完成である。40mmもあるので背面から見るとすこしはみ出る。

蓋を戻す
分解したときとは逆の順で組み立てる。少し苦戦したものの、うまく戻すことができた。 特に苦労することなくネジをしめ、ラックに戻すことができた。
Ultra Low Noise Adapterでは回転数が落ちすぎて不安ということであれば、戻す前に一度電源を入れて試してみた方が良いだろう。さすがに一度蓋を戻すともう一回バラす元気は起きなかった。
結果
ほとんどファン音が気にならなくなった。すぐ近くにある古いNASのほうがよっぽどうるさい。 多少負荷をかけても、温度もそれほど変わっていないようだ。

これで書斎に安寧が戻った。 Noctua、アダプタ設計してくれた人、DMMで3Dプリントサービスやろうと思った人すき、ありがとう。
*1:EIA規格の1Uは約44.45mmくらいなので、40mmのファンがぎりぎり入る