はじめに
社名は明かしません。知っている人も、わざと明かすような言及はしないで貰えると助かります。なお色々ぼかしたり混ぜたりして書いています。
これは何
入社から一度も出勤せず、全てリモートで研修を受けて一ヶ月経ったので、今時点での自分の感想を言語化して残しておきたいと考えました。もしかしたら今後意見が変わるかも知れないし、変わらないかも知れないヤツです。研修を受けた側の本音はまだ貴重な方だと思うので、リモート研修やってる各社の人事に届け。
ちなみに、これはエンジニア向けの研修ではなく、それ以外も含めた共通の研修を1ヶ月程度受けたことについての感想です。相当に恵まれた環境であり、先輩社員の方々の努力を節々から感じています。他の会社のリモート研修は知りません。全てを一般化しないで下さい。
著者の状況
- 2020年の新卒
- (ソフトウェア)エンジニア職での採用
- 通勤には電車を使って1時間程度かかる
- 家に仕事をする部屋がある
- 元から引きこもりオタク
正直な感想
これを言うと不謹慎っぽいんですがフルリモートでの研修になって本当に良かったです。以下良かったところです。
- 通勤電車に乗らなくて良い
- 感染リスクが〜とかもありますが、純粋に移動時間が減って嬉しい。余裕をもって家事が出来る。朝急がなくて良い。
- 昼休憩にちゃんと休憩できる
- やたらコミュ力を発揮したりしなくて良いので楽
- 別に困っていない
- そもそもリモートでやるためのコンテンツが用意されているので当たり前だが、別にリモートで困ったと思ったことがない
- この内容で十分だと思ったし、むしろこれ以上色々やっても意味あるか怪しい
「通勤したい」と思ったことは今のところ一度も無いです。別に顔はリモートでも見ることができ、会話もでき、ある程度仲良くなることも可能でした。業務が終わった後に軽く雑談したり、リモート飲み会をやったりもしています。それ以上の関係性を仕事には特に求めていません*1。
研修のコンテンツに不足感もそれほど感じていません*2。これ以上何かやる必要有る?という気持ちです。冗長なことを続けられても、どんどん失望するだけだと思います。
一方で、通勤したいサイドの言い分も十分理解出来ました。例えば「家で仕事することを想定していなかったので、まともな椅子や机がなく身体がしんどい」とか、「家のWiFiが不安定/遅く、まともにWeb会議できない」などです。家の設備がそれなりに整っているオタク以外にリモートワークはなかなか厳しいというのは確かにと感じました。「(リアルで)顔が見たい」「(リアルで)会話したい」「(リアルで)一緒に遊びに行きたい」などはあまり賛同できませんでした。別にリモートでよくない?(真顔)
リモート研修で微妙だなと思ったこと
初日出社するかどうかを新卒に委ねる
そもそも初めての事態だったので仕方ないのですが、「こーーれは微妙なライン」という状況で新卒に「初日来ますか?リモートにしますか?」って聞いたら99%の新卒は出社しますって言うと思います。そこで「や、感染怖いんでリモートにします」って言うヤツはたぶん人生2周目です。
この引きこもりの僕ですら「一回くらいは出社しておきたいな」と思ったくらいなので、普通の人は出社すると思います。実質一択の質問で責任を新卒に持たせるのはどうかと思います*3。
昼飯食べながらの雑談会
- 昼飯を用意する時間が十分でない
- そもそも食べながらとか喋りにくい
などの理由で微妙でした。リアルで会っていれば、食べに行くまでや食べ物を用意する時間などにも会話が発生するかも知れませんが、リモートでは全員手元に食事を用意している段階ではいスタート!なのでコミュニケーションがとりづらいです。昼飯じゃなくておやつの時間とかにしませんか?
成果の見えない(見えにくい)自学自習の時間
単純にモチベ湧かないです。抽象的な目標と手段を与えられてこれやっといてねと言われても、成果を測定しづらく、またそれがどう役に立つのかイマイチわからないのでやる気になりませんでした。計算ドリルでもやってた方がマシです。
リモート研修で良かったこと
研修の内容自体については言及しませんが、まぁ研修ってこんなもんだよなという気持ちでした。まぁまぁ楽しかったので良かったのでは?それ以上特に言うことはないです。それ以外についてだけ述べます。
服装の自由
本日のリモートワークは下半身スウェットでお送り致します
— 社会人 (@pudding_info) April 6, 2020
僕はほぼずっと下半身はスウェットで過ごしていました。上半身も単なるパーカーとか、せいぜいシャツをちゃんと着る程度で、寝間着に見えないようにだけ気を遣っていました。その程度の配慮で十分じゃないですか?スーツ着てリモートやってるとこもあるらしく、ウケると言う他ないです*4。
同期との雑談の時間
ガス抜きという意味でも、交流を深めるという意味でも、こういう時間は貴重でした。やっぱりリアルでの細かいコミュニケーションの発生が無い分、こういう時間を無理にでも取って補うしか無いと思います。ちなみに同期の名前はあんまり覚えられませんでした。
社員との雑談の時間
同期としか話していないと今後の不安が蓄積するばかりなので、先輩社員の方々と喋って解消するというのも大事だなと感じました。人事だけでなく、あらゆる部署の人と一回は話しておけると雰囲気を掴めて良いのではないでしょうか。ちなみに先輩社員の名前はあんまり覚えられませんでした。
来年以降に向けて
もしかしたら来年以降、自分が研修する側に回る可能性もあるのでいくつか気付いたことを残しておきます。
出社可能になってもリモートの選択肢を残す
受けていて思ったのは「わざわざ座学を受けるためだけに出社する必要ある??」です。ここで「いやでも同期とのコミュニケーションが〜」とか言うなら座学とは別にコミュニケーション取る日を用意して下さい。要するに、リモートで可能なもののために出社を強要して欲しくないということです。
出社が難しくなる理由は何も感染症だけではありません。電車が止まるかも知れないし、体調があまり良くないかもしれないし、朝起きれないかも知れない。必要なときなら仕方ないですが、リモートで問題ないものならリモートでいいじゃんというのが僕の主張です。同時に、実施した内容を常に録画しておくことも重要だと思います。後から次の年の反省に活かすことも出来るし、病欠した人のフォローにも使えるからです。
座学におけるフィードバック
リアルで喋っていれば、フィードバックは視線や身振りからでも得られますが、リモートにこれを期待するのは難しいです。実際、フィードバックが無くて「わかりましたか?…………あー……うーん……………先に進めます」みたいな状況が頻繁に発生しています。これには2つ原因があると考えています。
- そもそもフィードバックの方法が用意されていない(or 適切な手段でない)
- 喋っている側がフィードバックの確認方法を知らない
予め研修中に使用するリアクションの手段を決めておくべきでしょう。更に言うとそれは身振り手振りなどではなく、Web上または使用しているツール上で行うことができ、感情を表現できる方法で行うべきだと考えています。前述したように回線の問題で自分のビデオをオンにしないほうが快適に動く人も居るため、身振り手振りは適した方法ではありません。また、👍のみのようなリアクションは、適切なフィードバックをするのに十分でないため、文章orもっと多様なリアクションが使えると良いと思います。
フィードバックを確認する側も、予めここにこうリアクションしてくれと伝えておくことで、気まずい沈黙を避けることが出来ると思います。これを研修を実施する側の人全員で共有できているとなお良いと思います。
受講者が手を動かして何か出来るコンテンツの用意
完全な座学なら難しいですが、少しでも受講者の能動的な行動を要求する内容があると自然と話を聞きます。内容的には何でもよく、特定のWebサイトを開く程度で十分かも知れません。その上で何か出来るともっと良いと思います。
ただ、死ぬほど興味ない内容でひたすらインタラクションを要求されると、辞めたい度が急上昇するのでさじ加減は必要です。
研修の目的と妥当性の提示
何のためにやるのかよく分からないものをリアルで延々受けさせられたら発狂して辞表たたきつけると思いますが、リモートだとただただ「無視」できます。それで良いなら構いませんが。研修の各内容について
- 何を目的として
- どのような方法で
- なぜその方法が妥当であると判断したか
の3点が分かっているだけで不満は相当減ると感じました。内容にそこまでのめり込めなくても、必要性を理解出来るからです。1、2は問題なくても3に問題がある場合もあります。目的に対して手法がマッチしていなければ(マッチしていないと研修を受ける側が感じれば)、やる意味が無くなってしまうからです。逆に言うと、これが説明できない研修なんて必要ないので辞めれば良いと思います*5。
今年はコンテンツをしっかり練る時間もなく急ごしらえかもしれませんが、来年以降リモートが必要になったときに同じようなことを続けるのは愚策かと思います。特に3について、実施する側はよく考えるべきだと思います*6。
最後に
研修という言葉に良いイメージがなく、ビビりながら受けましたが、それなりに楽しかったので良かったです*7。誰も直面したことが無かった事態においても柔軟に対応し、尽力頂いた社員の方々には大変感謝しています。一方、まだまだリモート研修の可能性はこれからだなと思っているので、もっとこの文化が成熟していけばいいなと感じています。